2010年11月19日金曜日

運動と認知症の予防

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 適度な運動が脳の老化防止に役立つことが知られているが、どれだけ運動をすると効果があるかはよく分かっていない。週に約10キロメートル(6マイル)以上を歩くと、認知症や記憶力の低下を抑えられることが、米国の長期調査で確かめられた。

 米ピッツバーグ大学心理学部准教授のKirk Erickson博士らは299人を対象に、日常での身体活動と、前頭部・後頭部・内側嗅領・海馬領域での灰白質の体積や認識機能などとの関連を調べた。研究は「Neurology」のオンライン版に1013日付で発表された。
 研究は米国で実施されている「心臓血管健康・認知力研究(CHS-CS)研究」の一部として実施された。対象となった299人は研究開始時に認知機能障害のみられなかった健康な成人で、平均年齢は78歳だった。
 参加者に「週に何ブロック歩くか」といった形式で身体活動量について答えてもらい、9年後に高解像度のMRI検査で脳の灰白質の容積を検査し、さらに4年後(調査開始から13年後)に認識機能障害の医学的な診断を受けてもらった。
 その結果、週に平均1015キロメートル(69マイル)以上、あるいは72ブロック以上を歩いた人では、まったく歩かなかった人に比べ、脳の灰白質の容積が多いことが分かった。脳の特定領域の体積が大きい人では、認知症や認知機能障害を発症するリスクが低くなった。
 週に1015キロメートルは、1日に換算すると約1.42キロメートル程度。「毎日の通勤距離がそれくらいに相当する」という人も多いだろう。通勤などの帰り道にバスや車を使わずに歩いたり、少し遠回りをすれば、ウォーキングの距離を増やすのはさほど難しくない。
 ただし研究では、歩く距離が長いほど灰白質が多くなるというわけではなく、72ブロックでも300ブロックでも有意差はみられなかったという。
 「認知能力と脳の容積には関連がある。研究では、ウォーキングが脳の健康に良い影響をもたらすことが分かった。ウォーキングは日常の生活の中で容易にできる運動だ」と研究者は述べている。
 「中高年が運動を習慣的を行うと、生活習慣病予防につながるだけでなく、認知症やアルツハイマーの前段階の物忘れや記憶症を予防できる可能性がある。運動を勧めることは、ますます重要になっている」。




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